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チャイナタウン置屋 クアラルンプール
クアラルンプール、チャイナタウン。Petaling Street。 屋台の煙、漢字の看板、偽物ブランドを売るおじさん フルーツジュースの甘い匂い、大声で値段を叫ぶ客引き。 ここは完全に観光地だが 「チャイナタウンの奥に、隠れた置屋がある」 という情報を手に入れ、俺の「せっかく来たし」スイッチが入って いつものアドベンチャーモードに変わる。 場所 Petaling Streetのこの店の横当たり いろいろ路地を入って、キョロキョロして、どこを歩いているのかもわからなくなったころ、それらしき扉、というかダンジョンの入り口が見えてきた。 この感じのダンジョンは、だいたい正解だ。経験則。 この入り口に入るとすぐある階段を上っていく。 階段を上がり見渡して、最初に思ったことを正直に言う。 「あれ、みんなまあまあなお姉さんだ」 見た感じ30代から40代。通路があって各扉の前に立っている置屋スタイル。 全員。例外なしに年配感を感じるが聞いてみると自称30歳とか32歳とか。 いやいや、40歳くらいは、すでにいっているぞ、という方もいて… 若干、若い子を期待してい

GENPASS 編集 八田
5月14日


NZ Spa ジョホールバル
ジョホールバルの夜 ベルジャヤウォーターフロントホテルに入った。 ロビーはちゃんとしている。 フロントがあって スーツケースを引いたビジネスマンがいて ソファにカップルが座っている。 コンシェルジュが立っていて、 観葉植物が置いてあって、 どこからどう見ても普通のホテルだ。 場所 ベルジャヤウォーターフロントホテル 7階 その7階に、NZ Spaがある。 カウンターで受付をする。ロッカーキーを渡される。 着替えて、お風呂で体を清める。 タオルも清潔だし、お風呂もちゃんとしている。 シャワーの水圧も悪くない。 ここまでは完全に普通のスパだ。 どこに連れていかれるのか全くわからない状態で、ちゃんとしたスパの動線を踏んでいる。 待合室の奥に進むと、女の子たちが並んでいた。 タイ、ベトナム、インドネシア。様々なタイプがいる。 その中に、一人だけ佇まいが違う子がいた。 特別に派手なわけじゃない。 でも何か、落ち着き方が違う。目が静かだった。 他の子がこちらを見ているのに、この子だけ視線が安定している。 この子にした。いざ、施術部屋へ。 始まった瞬間、わかっ

GENPASS 編集 伊達
4月29日
![まとめた髪を、ほどいた夜だった [最終話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_8f7e966ebd9d400f8ff89a6bdac084a6~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_8f7e966ebd9d400f8ff89a6bdac084a6~mv2.webp)
![まとめた髪を、ほどいた夜だった [最終話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_8f7e966ebd9d400f8ff89a6bdac084a6~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_8f7e966ebd9d400f8ff89a6bdac084a6~mv2.webp)
まとめた髪を、ほどいた夜だった [最終話]
【第4話】 届いたメール、その最後の一行 翌朝、ミオは8時前に起きた。 シャワーを使ってから、俺のそばに来た。 「……仕事は?」 「11時から」 「私は9時なので、そろそろ出ます」 「送ります」 「いいです。近いので」 髪をまとめながら、窓の外を見た。 「昨日より、空気が重い気がする」 「KLは毎日そんなもんです」 「……慣れました、って言ってもいいですか」 「今朝のは本物の慣れなので、構いません」 ミオが笑った。今朝の笑顔は、昨日より少しだけ深かった。 「また連絡します」 彼女が言った。 俺は「ゆっくり帰ってください」とだけ返した。 部屋を出ていくミオの後ろ姿を見た。 アップにまとめ直した黒髪。細い首。 昨日の朝にカフェで見たのと同じ後ろ姿が、今日は少し違って見えた。 扉が閉まった。 部屋にひとりになった。 窓の外はKLの朝だった。 ツインタワーが光の中に立っている。 昨夜3時にウイスキーを飲みながら見たのと同じ景色が、今は白い日差しの中にある。 昨夜と昨朝のあいだに、何かが起きた。それだけだ。 11時の打ち合わせを終えて、夕方の便で帰国した。

GENPASS 編集 三好
4月27日
![まとめた髪を、ほどいた夜だった [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_7002db9790264e81a310e92c5d536aff~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_7002db9790264e81a310e92c5d536aff~mv2.webp)
![まとめた髪を、ほどいた夜だった [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_7002db9790264e81a310e92c5d536aff~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_7002db9790264e81a310e92c5d536aff~mv2.webp)
まとめた髪を、ほどいた夜だった [第3話]
【第3話】 まとめた髪を、ほどいた夜だった バー・トリゴナはフォーシーズンズ・クアラルンプールのロビー階にある。 名前はトリゴナ蜂に由来する。 マレーシア固有の針のない小さな蜂で、その蜂蜜を使ったカクテルで知られている店だ。 照明を低く落として、ローカルの木材と陶器を組み合わせた内装。 観光客の喧騒がない。 座席数が少なく、会話のための場所として機能している。 ミオは入り口で少し足を止めた。 「ここ、泊まってるんですか。このホテルに」 「今回もそうです」 「……そういうことですか」 「何かありましたか」 「何もないですけど」 彼女は少し目を細めた。 疑っているわけじゃない。 状況を確認している顔だった。 俺はメニューを開いて、ハニーコレクションのカクテルを眺めた。 席に着いて、最初の一杯を頼んだ。 ミオはビーポーレンを使ったジンベースのカクテルを選んだ。 俺はラム系にした。 バーの照明が彼女の頬のラインに落ちている。 アップにまとめた黒髪から、細い後れ毛が一本、首筋のあたりに垂れていた。 気になったが、何も言わなかった。 「旅行の仕事でも、自分で

GENPASS 編集 三好
4月26日
![まとめた髪を、ほどいた夜だった [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_2dbf48398a304c76b293ca26c4e63603~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_2dbf48398a304c76b293ca26c4e63603~mv2.webp)
![まとめた髪を、ほどいた夜だった [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_2dbf48398a304c76b293ca26c4e63603~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_2dbf48398a304c76b293ca26c4e63603~mv2.webp)
まとめた髪を、ほどいた夜だった [第2話]
【第2話】 マンジャの、奥の席で 仕事は予定通り終わった。 打ち合わせが11時から14時。 午後はホテルで資料整理と電話対応が2件。 夕方にはすべて片付いた。 ミオに連絡したのは17時過ぎだった。 「今夜、食事どうですか」 返信は4分で来た。 「どこですか」 「マンジャ。知ってますか」 「知ってます。行ったことないですけど」 「19時に」 「わかりました」 短いやり取りだった。 余計なことを書かない。 それだけで少し楽になる。 マンジャはブキ・ビンタンエリアにある。 マレーシア料理を現代的な解釈で出す店で、観光客が来るような場所ではない。 KLCCから車で15分ほど。 ローカルの富裕層と駐在員が常連に多く、テーブル間の間隔が広く、声が隣に届かない。 こういう密度の店を選ぶのには理由がある。 話すべきことが話せる距離感をつくるのは、料理より先に、席の選び方が決める。 ミオはすでに席にいた。 今朝のワンピースから着替えていた。 深い緑のシャツに細いパンツ。 髪は相変わらずアップにまとめている。 今朝より少し高い位置に結んで、耳元にスタッドのピアス。

GENPASS 編集 三好
4月25日
![まとめた髪を、ほどいた夜だった [第1話/全4話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_d0a1ff0fa4784beda58daf63556aec8e~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_d0a1ff0fa4784beda58daf63556aec8e~mv2.webp)
![まとめた髪を、ほどいた夜だった [第1話/全4話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_d0a1ff0fa4784beda58daf63556aec8e~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_d0a1ff0fa4784beda58daf63556aec8e~mv2.webp)
まとめた髪を、ほどいた夜だった [第1話/全4話]
【第1話】 コーヒーが来るより先に クアラルンプールの7時台は、すでに暑い。 ホテルの扉を出た瞬間から、空気の密度が変わる。 湿気と熱と、どこか植物の甘みを含んだ風。 初めてKLに来たのは10年以上前で、それからも仕事で何度か足を運んだ。 この空気に飽きたことは、一度もない。 フォーシーズンズ・クアラルンプールは、ツインタワーの足元に建っている。 ロビーの吹き抜けが高く、KLCC公園の緑が窓から見える。 ここを使うようになったのはKL支社のパートナーに紹介されてからで、それ以来、KL出張のたびに同じホテルを指定している。 慣れた場所で過ごす方が、余計なことに気を取られなくていい。 最初の打ち合わせは11時からだった。 午前中に3時間ある。 Feeka Coffee Roastersに向かったのは、KLCCからGrabで5分という理由だけだ。 ブキ・ビンタンのJalan Mesuiに店を構える、スペシャルティコーヒーを軸にしたカフェで、駐在員やクリエイター系の地元客に支持されている。 ラップトップを開いて黙々と仕事をする人間が多く、観光客の流れとは

GENPASS 編集 三好
4月24日


shinjuku fitness centre ジョージタウン
ジョージタウン。マレーシア、ペナン島。ユネスコ世界遺産。 植民地時代のコロニアル建築が並んで、壁にはストリートアートが描かれて 老舗の食堂が立ち並んで、観光客がみんなカメラを向けている。 文化的な街だ。由緒ある街だ。 昼のJalan Penangは、いつも通り暑くて、いつも通り何も起きない。 こんなジョージタウンにも、お国柄廃業に置屋は追い込まれているが、 隠れてやっている置屋がまだあるようなので、情報の店の近くにあるHotel Malaysiaに拠点を置く。 場所 Hotel Malaysia Hotel MalaysiaからJalan Penang通りを入っていくと、すぐに右側にFoot & Shoulder Reflexology centreというマッサージ店が見えてくる。 このあたりだという情報だったので、さっそくこのマッサージ店に入店してみる。 名前が正直すぎる。 足と肩のリフレクソロジー。以上。 ただ、そういう正直すぎる名前の店ほど、裏がある場合がある。 「スペシャルマッサージありますか?」 「ないです」 笑顔で即答だった。清潔な笑

GENPASS 編集 伊達
4月16日


フードコート置屋 クアラルンプール
クアラルンプールで、 とあるフードコートでメシ以外に「春」を売っている といううわさを聞き場所を探していた。 大通りを外れ、暑さで思考が止まりかけた頃 民家のようなところで急に、ちょうどいい感じのローカルフードコートを見つけた。 木のテーブルに、白いプラスチックの椅子。 天井はトタン屋根で、大きなファンがゆっくり回っている。 どこにでもある、あの感じ。 とりあえず中に入って座って、飲み物でも飲みながらスマホで捜索しようと考えていた。 場所 このあたりだったかと思う 椅子に座って、一息ついていたら数人の女の子がこっちを見ている。 フードコート内は何やら地元のカラオケ大会みたいなのが始まっている。 そして、注文でも取りに来るかのように女の子が近づいてくる。 近い。距離が近い。 東南アジア特有の、あの“パーソナルスペースを無視してくる距離”。 ベトナム語っぽい言葉と、インドネシア語っぽい言葉で話しかけてくる。 英語も混ざるけど、正直ほぼ分からない。 よくわからないので、女の子の顔を見ていると 向こうもこっちを見ている。いや、見すぎだろ。...

GENPASS 編集 八田
4月14日


GENESIS SAUNA SPA クアラルンプール
クアラルンプールには、男の理性を静かに壊してくる場所がある。 今回は 「GENESIS SAUNA SPA」。 とても健全そうな佇まいがするが、この“ちゃんとして見える”って、一番危ない。 人間は、ちゃんとして見えるものに弱い。しっかりしたビルに入っている「エロ」ほどたまらないものだ。 場所 Level 10, Menara Genesis, 33, Jln Sultan Ismail, Bukit Bintang, 50250 Kuala Lumpur, WP Kuala Lumpur, マレーシア 場所はKLの都会ど真ん中。ビルの上階。これが絶妙にイヤらしい。 路面店で怪しさ丸出しなら、こっちも最初から身構える。でもGENESISは違う。 ちゃんとして見える。 この“ちゃんと”が、一番危ない。 受付に入る。店員は落ち着いている。空気も静か。建前としては完全にスパ。 でも何かが違う。ほんの少しだけ、“癒やし”よりも 「これから何かが起きる前の静けさ」 が勝っている。 この時点で俺の中の警報機が鳴る。 ピッ、ピッ、ピッ。 危険です。この整い方は、

GENPASS 編集 八田
3月16日


HOKKAIDO クアラルンプール
――名前に騙されるな。ここは“北海道”じゃない。 クアラルンプールの夜に紛れた異界 だ。 マレーシアはイスラム国家なので、「まぁマレーシアだし、夜遊びといえど大人しめでしょ」なんてテンションで来たら、ここで思考が一回止まる。 HOKKAIDOというSPA。名前は平和。響きも日本人になじみがあって優しい。 だが中身は、東南アジア特有の “静かに狂っている夜”そのもの だ。 場所 Jln Bukit Bintang, Bukit Bintang, 55100 Kuala Lumpur, Wilayah Persekutuan Kuala Lumpur, マレーシア 結構、ショッピングモールが立ち並んで賑やかなエリアだが、 メインの通りから少し外れたところ にある。 建物には漢字でもローマ字でも「HOKKAIDO」「北海道」と看板に出ているので、地図通り行けばわかりやすい。 入店へ まず入り口にインターフォンがあるので、押すとスタッフらしき人が出てくると奥へ行き2Fへ案内されソファに座る。 しばらくすると 15人ほどの女の子が前に来てショーアップ...

GENPASS 編集 伊達
2月7日
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