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![君の名は希望 [最終話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_6b6048fbe07e493591d987ca7a8cafb6~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_6b6048fbe07e493591d987ca7a8cafb6~mv2.webp)
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君の名は希望 [最終話]
【最終話】 君の名は希望 目が覚めると、灯はいなかった。 テーブルの上に、小さな紙が一枚あった。 何も書いていなかった。 窓の外、Herengrachtに朝の光が当たっていた。 水面は静かだった。 灯がいた側の枕に、かすかに香りが残っていた。 それだけが、昨夜が本物だったことの証拠だった。 チェックアウトを済ませた。 ポーターがスーツケースを運んだ。 エントランスを出る前に、Herengrachtをもう一度見た。 対岸の並木が水に映っていた。 4日前に着いたときと同じ光景だった。 でも何かが違った。 同じ光の中に、昨夜の影が混じっていた。 スキポール空港は広かった。 搭乗ゲートのプラスチックチェアに座って、搭乗まで一時間あった。 PCを開く気にはなれなかった。 コーヒーを飲みながら、灯のことを考えた。 なぜ招待客リストを確認していたのか。 なぜAmpèreLinkを知っていたのか。 「守っているものがある」とは何のことだったのか。 「直接関係しているわけではない。でも関係がないとも言えない」—— あの言葉の意味は。 答えは出なかった。...

GENPASS 編集 三好
8月24日
![君の名は希望 [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_570ca5a906c64e6a82a872459b47c592~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_570ca5a906c64e6a82a872459b47c592~mv2.webp)
![君の名は希望 [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_570ca5a906c64e6a82a872459b47c592~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_570ca5a906c64e6a82a872459b47c592~mv2.webp)
君の名は希望 [第3話]
【第3話】 帰り道は遠回りしたくなる 朝、書類をもう一度開いた。 AmpèreLinkの設備投資資料、展開スケジュール、資本構成の開示レポート。 数字は変わっていなかった。 整合が取れない部分も変わっていなかった。 昨日の「最終調整中」も変わっていなかった。 断ることは、昨夜の時点で決めていた。 理由は数字だけじゃなかった。 何かが引っかかっていた。 担当者の笑顔が多すぎる。 答えが滑らかすぎる。 資料の量は多いのに、核心から遠い。 長年、商談を繰り返してきた経験の中で身についた感覚があった。 うまく言語化できないものだったが、外れたことがなかった。 AmpèreLinkのオフィスへ向かった。 担当者は昨日と同じ笑顔で出迎えた。 コーヒーが出た。 「本日は前向きなご回答をいただければと」 「持ち帰って社内で検討します」 と俺は言った。 「決定には時間がかかりますが、ご了承ください」 笑顔が一瞬だけ硬くなった。 「具体的なスケジュール感はいかがでしょうか」 「2週間から1ヶ月は見ていただきたいと思います」 それで終わった。 2週間で返事はしない。

GENPASS 編集 三好
8月23日
![君の名は希望 [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_d6f4c1b35b2a45c8b0b8a06859a145d1~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_d6f4c1b35b2a45c8b0b8a06859a145d1~mv2.webp)
![君の名は希望 [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_d6f4c1b35b2a45c8b0b8a06859a145d1~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_d6f4c1b35b2a45c8b0b8a06859a145d1~mv2.webp)
君の名は希望 [第2話]
【第2話】 描かれていないものの話をした カーテンを少し開けると、運河が見えた。 朝の光の中で水面が鈍く光っていた。 空は低く、白かった。ア ムステルダムの朝は明るいのに、どこか薄暗かった。 光量があるのに、陽が刺さない。 緯度のせいかもしれない。 シャワーを浴びながら、昨夜のことを考えた。 灯が言った言葉 ——「チアロスクーロは、見せたくないものを隠す技術でもあります」—— を商談相手に当てはめてみた。 答えは滑らかすぎた。 それはまるで、丁寧に準備された影だった。 灯から連絡があったのは、午前8時過ぎだった。 「10時に職員入口でお待ちしています。表から入る必要はありません」 裏口から入るということが、それだけで何かを意味していた。 職員通路は観光客が歩く廊下とは別の動線だった。 灯に案内されて、修復室の前に立った。 厚いガラスの扉の向こう、数人の専門家が白い作業服を着て、大きなキャンバスの前に座っていた。 照明が普通の部屋と違った。 青みがかった白い光が、絵の全面に当たっていた。 「修復用の照明です」 と灯は言った。 「絵の表面の状態を正確

GENPASS 編集 三好
8月22日
![君の名は希望 [第1話 / 全4話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_94cb959d4da54101ba5bce930ebe9a5d~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_94cb959d4da54101ba5bce930ebe9a5d~mv2.webp)
![君の名は希望 [第1話 / 全4話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_94cb959d4da54101ba5bce930ebe9a5d~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_94cb959d4da54101ba5bce930ebe9a5d~mv2.webp)
君の名は希望 [第1話 / 全4話]
【第1話】 7割が、影だった アムステルダムには初めて来た。 スキポール空港からトラムで中央駅へ、そこから歩いた。 最初の運河を渡ったとき、水面が夕暮れの光を受けて金に近い色をしていた。 ラスベガスとも東京とも違う種類の光だった。 何百年も前から同じ場所にある光だ、となぜか思った。 街全体が水の上に乗っている。 運河が道路と並走し、橋が至るところにある。 自転車の多さに最初は面食らった。 歩行者より多い。車より多い。 この街では自転車が優先だと、渡りかけた横断歩道を引き戻されながら理解した。 今回の商談相手は、AmpèreLink B.V.という会社だった。 アムステルダム南部に本社を構え、欧州圏9カ国に急速充電ネットワークを展開している。 創業6年、次のステップとして日本市場への参入を検討しており、現地流通パートナーを探している—— それが表向きの話だった。 規模は十数億。悪くない案件に見えた。 ただ、上司はこう言った。 「資金の出所を確かめてこい」 ホテルはHerengracht沿いにあった。 Waldorf Astoria Amsterda

GENPASS 編集 三好
8月21日


レッドライト地区のガラス越しに目が合って、気づいたら15分で満足した話
オランダ・アムステルダム。 観光地として有名なこの街には、もう一つの顔がある。 夜になるとネオンが灯り、ガラス越しに女性たちが並ぶエリア。 いわゆるレッドライト地区。 実際に歩いてまず思う。 思っていたより、普通に観光地の中にある。 もっと特別な場所かと思っていたけど、観光客が普通に歩いているすぐ横にある。 人も多い。カップルもいるし、女の子同士のグループもいる。 この時点で、だいぶ想像と違う。 歩いていると、なんとなくルールが分かってくる。 目が合う。軽く手招きされる。スルーするか、止まるか。 しつこい客引きはほぼない。 ただ、視線と仕草だけで完結するこの感じ、逆にちょっと逃げ場がない。 気づいたらGoogleマップを開いていた。 目的地はない。ルートも出してない。 現在地もほぼ動いてない。ただ開いているだけ。 「自分はただ通り過ぎようとしている一般市民です」 という顔をするための、完全に無意味な儀式だ。 画面を見ながら横目で見る。 現在地は変わらない。目的地もない。 なのに、なんか自分だけ怪しい動きしている。 前から来たアジア人と目が合った。

GENPASS 匿名協力記者
4月23日
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