レッドライト地区のガラス越しに目が合って、気づいたら15分で満足した話

更新日:10月13日
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オランダ・アムステルダム。
観光地として有名なこの街には、もう一つの顔がある。
夜になるとネオンが灯り、ガラス越しに女性たちが並ぶエリア。
いわゆるレッドライト地区。
実際に歩いてまず思う。
思っていたより、普通に観光地の中にある。
もっと特別な場所かと思っていたけど、観光客が普通に歩いているすぐ横にある。
人も多い。カップルもいるし、女の子同士のグループもいる。
この時点で、だいぶ想像と違う。

歩いていると、なんとなくルールが分かってくる。
目が合う。軽く手招きされる。スルーするか、止まるか。
しつこい客引きはほぼない。
ただ、視線と仕草だけで完結するこの感じ、逆にちょっと逃げ場がない。
気づいたらGoogleマップを開いていた。
目的地はない。ルートも出してない。
現在地もほぼ動いてない。ただ開いているだけ。
「自分はただ通り過ぎようとしている一般市民です」
という顔をするための、完全に無意味な儀式だ。
画面を見ながら横目で見る。
現在地は変わらない。目的地もない。
なのに、なんか自分だけ怪しい動きしている。
前から来たアジア人と目が合った。
一瞬で分かった。同じことしている。
お互い、何も言わない。
でも、お互い分かっている。
「お前もか」という目だった。
この旅で一番の共感だったかもしれない。

そんな中で、ふと目が合った女性がいた。
黒髪で、少しクールな雰囲気。
軽く笑って、ドアをほんの少しだけ開ける。
無言だけど、ちゃんと伝わる。
「どうする?」っていうサイン。
足が止まっていた。
ここは、見に来る場所じゃない。決める場所だ。
ドア越しに会話が始まった。
「How much?」と聞くと「70〜100ユーロ」、
「How long?」には「15 minutes」。
説明はそれだけ。
気になってもう一つ聞いてみた。
「What exactly can I do for that?」
少し笑って、彼女は言った。
「I'll give you the best experience of your life.」
キャッチコピーか。
でも、顔はにやけた。完全ににやけた。
世界中のマーケターが束になっても敵わない一言だと思った。
こんな一言で落とされる自分が少し悔しいけど、ここまで来たし、で決まった。
中はシンプルで、ベッドが一つあるだけ。
さっきまで外から見ていた人が、目の前にいる。ここで一回、現実に戻る。
近づいてきたときに、ふわっと匂いがした。
H&MとかZARAっぽい、あの海外の匂い。
ああ、海外にいるんだなと思ったし、日本とは違うエロを感じた。
身長の高い人は舌も長いということを、この日初めて知った。
義務教育では教えてくれない知識だった。
上から下まで一直線で、来てよかったという確信が15秒で生まれた。
いつもより開放的になっていたのか、気づいたらリクエストまでしていた。
普段の自分とは思えない。
窓から差し込む光の中で、情熱的な赤いセットアップが印象に残っている。
この国では合法だから、変な後ろめたさもなく、ただ無心だった。
そんなこんなで15分が経ちそうなころ、彼女がラストスパートをかけてきて、こちらも果てた。
15分とは思えない満足感だった。
賢者タイムに入りながら、頭の中で回想が始まる。
70ユーロ、15分、あの一言。
コスパという言葉を使っていいのか分からないけど、
時給換算したら世界一高い買い物をした気分と、
世界一安い買い物をした気分が同時に来た。
ドアを出た瞬間、現実に戻る。
ネオンの光、観光客のざわざわした空気。
さっきと同じ景色なのに、少しだけ見え方が違う。
たぶんこれ、歩いただけじゃ分からない側の景色を、一瞬だけ見た感じ。

サービス単体で見ると、時間は短いし
丁寧さやおもてなし感を求める人には物足りないかもしれない。
でも、体験としてはまったく別の話で、「サービスを受ける」というより
「その場の空気ごと体験する」感じだった。
レッドライト地区の雰囲気、外で迷っている時間、入るまでの流れ、
そして一瞬で終わるスピード感。
それ全部込みで、普通に満足している。
むしろ、終わった直後よりも、
少し時間が経ってからじわじわくるタイプだった。
「また行くか?」と聞かれたら、
たぶん、普通に行く。
あの空気の中で判断して、流れに乗って、終わるまでの一連の感じ。
あれは一回じゃ分かりきらない気がする。

【基本情報】
・エリア:アムステルダム・レッドライト地区(中央駅から徒歩10〜15分)
・料金:70〜100ユーロ(交渉次第)
・時間:15分〜
・写真撮影は禁止(普通に怒られる)
・しつこい勧誘はほぼない
・現金があるとスムーズ
・夜は観光客多めで安心感あり
・酔っ払いはそれなりにいるので注意


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