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![偶然を言い訳にして [最終話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_2dfad731f3de4c2e87d76b4e9d14b1ec~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_2dfad731f3de4c2e87d76b4e9d14b1ec~mv2.webp)
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偶然を言い訳にして [最終話]
【最終話】 偶然を言い訳にして 三好が先に目を覚ました。 カーテンの隙間から、白い光が入ってきた。 プノンペンの朝は早い。 陽菜はまだ眠っていた。 三好はしばらく、天井を見た。 昨夜のことを振り返るつもりはなかった。 今日やることが、ある。 シャワーを浴び、スーツを着た。 陽菜が目を覚ましたのは、 三好がコーヒーを飲み終えた頃だった。 陽菜は洗面所へ行き、少しして戻ってきた。 顔を洗っただけで、化粧道具は何もなかった。 「久しぶりに、ぐっすり眠れました」 と陽菜は言った。 「安心したからかもしれないです」 「本番はこれからだ」 「分かってます」 「行けるか?」 陽菜はうなずいた。 昨夜より顔の色が違った。 2人はホテルを出て、大通りを避けながら路地を選んで歩いた。 BKK1の朝の空気は涼しかった。 三好が前に立ち、交差点のたびに角から先を覗いてから進んだ。 追ってくる気配はなかった。 陽菜は三好の後ろを、黙ってついてきた。 昨夜と同じ人間とは思えないほど、足元が落ち着いていた。 大使館まであと数ブロック。 路地が途切れ、ノロドム通りの大通りに出る

GENPASS 編集 三好
9月14日
![偶然を言い訳にして [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_559e5a2274fa4a15942f896fba73ae3c~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_559e5a2274fa4a15942f896fba73ae3c~mv2.webp)
![偶然を言い訳にして [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_559e5a2274fa4a15942f896fba73ae3c~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_559e5a2274fa4a15942f896fba73ae3c~mv2.webp)
偶然を言い訳にして [第3話]
【第3話】 ストリート57 商談は16時過ぎに終わった。 三好はオフィスを出て、まっすぐあの路地へ向かった。 食堂の店主は、仕込み中だった。 三好はスマホの翻訳アプリを開き、文字を打った。 「明日の夜19時過ぎ、この店によく来る男2人と女の子1人の3人組が来ます。その女の子、彼らに監禁されていて見張られています。食事が終わりかけたころ、女の子がトイレのふりをして立ち上がります。そのとき、裏口から外に出してやってください」 画面を差し出すと、店主は眼鏡をかけ直して読んだ。 しばらく間があった。 三好は店主の顔を見た。 店主は三好を見た。 それから、静かにうなずいた。 「アリガトウゴザイマス」と言うと、店主が同じ言葉を返した。 それから「タスケテモラッタカラ」と続けた。 発音は、あの夜と変わらなかった。 ホテルに戻り、在カンボジア日本大使館の場所を地図で確認した。 BKK1からノロドム通りを南へ、徒歩で15分ほど。 タクシーは使わない。 路地を使って近くまで隠れながら移動する。 最後だけ、大通りに出て丸見えになる。 そこは走り抜けるしかない。 明日の

GENPASS 編集 三好
9月13日
![偶然を言い訳にして [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_f3c4058d9bc44a95824e21ecbcae77c6~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_f3c4058d9bc44a95824e21ecbcae77c6~mv2.webp)
![偶然を言い訳にして [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_f3c4058d9bc44a95824e21ecbcae77c6~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_f3c4058d9bc44a95824e21ecbcae77c6~mv2.webp)
偶然を言い訳にして [第2話]
【第2話】 渡された計画 翌朝、三好は7時に目が覚めた。 引き出しの中の紙のことを、すぐに思い出した。 シャワーを浴び、朝食をとり、午前中の商談に向かった。 アジェンダは仕様書の細部確認と、今後のスケジュール調整だった。 三好は資料に集中した。 仕事は、仕事として片付けなければならない。 商談は、午後3時に終わった。 先方との詳細条件の詰めは順調で、数量・価格ともにほぼ合意に近い状態になった。 次回は契約書の草案を持参することになるだろう。 三好はオフィスを出て、タクシーを拾った。 ホテルへ戻りながら、スマホで時計を確認した。 15時40分。あと3時間以上ある。 ホテルに戻り、シャワーを浴び、着替えた。 デスクの上に、昨夜書いたメモ用紙を折りたたんだものがあった。 ROSEWOOD PHNOM PENH と書いたものだ。 胸のポケットに入れた。 19時ちょうどに、ホテルを出た。 夕暮れのBKK1は、朝や昼と空気が違った。 バイクの数が増え、路上の屋台が灯りをつけ始め、 どこからともなく香草のにおいが漂ってきた。 三好は昨日と同じ路地に入り、...

GENPASS 編集 三好
9月12日
![偶然を言い訳にして [第1話 / 全4話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_18fb8cc64b674ab2969f7ecb21b9cc9f~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_18fb8cc64b674ab2969f7ecb21b9cc9f~mv2.webp)
![偶然を言い訳にして [第1話 / 全4話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_18fb8cc64b674ab2969f7ecb21b9cc9f~mv2.png/v1/fill/w_454,h_341,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_18fb8cc64b674ab2969f7ecb21b9cc9f~mv2.webp)
偶然を言い訳にして [第1話 / 全4話]
【第1話】 見知らぬ手のかたち プノンペンは2度目だった。 3年前に同じ目的で来たとき、商談がまとまらなかった。 今回は先方が供給体制を整えたと聞いており、前回よりも条件が揃っている。 空港を出ると、湿った熱気が体にまとわりついた。 雨季のカンボジアはこういうものだと分かっていても、東京のそれとは質が違う。 光がきつく、空気が重い。 タクシーを拾い、助手席に荷物を乗せた。 渋滞の中を、ドライバーが慣れた手つきでトゥクトゥクをかわしながら走った。 道路の両側には、バイクが際限なく流れていた。 何台もが同時にクラクションを鳴らし、それでも不思議と誰もぶつからなかった。 今回のプノンペン出張は、タイの工場に供給する天然ゴム原料の調達先開拓が目的だった。 カンボジア南部に農園を持つ地場農業法人との商談で、初日の打ち合わせは好感触だった。 先方の代表は流暢な英語を話し、供給量についても前向きな回答を出した。 次回以降の詳細協議に進める見通しが立った。 ホテルはBKK1に近いモニヴォン大通り沿いのRosewood Phnom Penh にとった。...

GENPASS 編集 三好
9月11日


Gold Coast Spa プノンペン
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。 今回、俺がいるのはプノンペン。アンコールワットじゃない方。首都。みんなが「あ、そっちね」と言う方の都市。 そんなプノンペン。夜になると急に存在感が出てくる。 昼間はただの東南アジアの首都なのに、暗くなると「この街、意外とやるな」という空気が漂い始める。 それが「まあ、せっかくここまで来たし」に変わるまで5分もかからない。 男の「せっかく来たし」は最強の呪文だ。 旅費も時差ボけも建前も、全部この一言で蒸発する。 向かったのがGold Coast Spa。名前がもう強い。黄金の海岸。 男がゴールドコーストに向かう動機は、一つしかない。 場所 HW2P+2R, Phnom Penh, カンボジア 入店して「国籍ガチャ」という概念を叩きつけられるとも知らずに、扉を開けた。 価格は確か、ショートで、ベトナム:158ドル タイ:188ドル 中国:218ドル ロシア:258ドル SPAの流れで入場する時にロッカーキーとバーコード付きの腕輪を付けられる。 スタッフがシステムを説明した。 「女の子の国によっ

GENPASS 編集 八田
4月21日


距離が近すぎるSt.136の夜
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。 プノンペンのリバーサイドに、いいお店が集まっているって聞いたから行ってみた。 賑わいを見せる店と観光客がごった返している。 平和すぎる。だから冒険したくなる。 もう一本内側のSt.136。ここから空気が変わる。 場所 だいたいココらへん ネオン弱め。箱小さめの店が続く。 おもむろに店に入ってみた。 少し言い過ぎだが、客が5人も入れば満席の店内。 なんとなく感じる視線。 逃げ場がないのを感じた俺は席に座る。 ビール $3、LD $5ほどだったかな。 なんだか安い。でも問題はそこじゃない。 触れる距離、女の子の距離だけ異常。 グラス渡すとき指が絡む。 座った瞬間、近い。近い。近い。 膝。触れる。腕。絡む。 笑うと肩が触れる。 座り直すと脚が当たる。 偶然?いや違う。 この店はそう設計されている…。 耳元。「Where you from…」。 息、近い。 てか、もろに息がかかっている。 タイとかの営業スマイルじゃない。 もっと直接的。吐息レベルじゃない。 もっと生々しい…。 俺「ビール…」。 女

GENPASS 編集 八田
2月19日
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