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距離が近すぎるSt.136の夜

執筆者の写真: GENPASS 編集 八田
GENPASS 編集 八田
2月19日
読了時間: 2分

更新日:10月13日

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プノンペンのリバーサイドに、いいお店が集まっているって聞いたから行ってみた。

賑わいを見せる店と観光客がごった返している。

平和すぎる。だから冒険したくなる。

もう一本内側のSt.136。ここから空気が変わる。



場所

だいたいココらへん



ネオン弱め。箱小さめの店が続く。

おもむろに店に入ってみた。

少し言い過ぎだが、客が5人も入れば満席の店内。

なんとなく感じる視線。

逃げ場がないのを感じた俺は席に座る。


ビール $3、LD $5ほどだったかな。

なんだか安い。でも問題はそこじゃない。

触れる距離、女の子の距離だけ異常。

グラス渡すとき指が絡む。


座った瞬間、近い。近い。近い。

膝。触れる。腕。絡む。

笑うと肩が触れる。

座り直すと脚が当たる。

偶然?いや違う。

この店はそう設計されている…。


耳元。「Where you from…」。

息、近い。

てか、もろに息がかかっている。


タイとかの営業スマイルじゃない。

もっと直接的。吐息レベルじゃない。

もっと生々しい…。


俺「ビール…」。

女「Yes baby…」。

“baby”が軽すぎる。

だが、脳はもう軽くない。

脳だけ急に「精神と時の部屋」に入った。



そして思った通り来る。

“Go out?”。

来た。

俺「How much?」たった2語。

この2語で、人間は“観光客”から“男”に変わる。


欲望、言語化。理性、沈黙。

俺の英語力?中学生レベル。

でもな、欲望の英語は流暢。

まるでドラえもんから、ほんやくコンニャクを食べさせられたかのうように口説く。



膝に手。耳元で笑う。

軽く肩にもたれる。

おい近い。いや近すぎる。

でもな、一番近いのは女の子じゃない。


欲望と現実の距離だ。


気づいたら交渉している。

値段?覚えてない。

理由?知らない。

出た、俺のダメなとこ。

忍法、記憶無くすの術。



帰り道。

Grabのおっちゃんに「Good girl 어디?」って聞いたら、ニヤ。

カンボジアの夜は多国籍なので言葉が混ざる。

あえて、多言語ミックスの英語+ハングルをつかってみた。

ちゃんと英語で言うなら“Good girl, where?”


改めて、Grabのおっちゃんはニヤッとする。

やっぱりな。

あいつら全部知っている。

路地奥。看板なし。

地元しか知らない店。それがSt.136。



St.136はいろんな意味で危険だ。

距離が近い。理性が溶ける。

欲望がしゃべり出す。


でもな、一番怖いのは女の子じゃない。

帰りのGrabで気づいた。

料金の瞬間、

ドライバー「5ドル」

俺「……」

ようやく出た言葉。

「ちょっと待ってください」 

──語学力の使い方、完全にエロ専用。


ドライバー、笑う。

俺、財布見る。

「No money bro…」

──現実だけ、流暢だった。




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