top of page

shinjuku fitness centre ジョージタウン

  • 執筆者の写真: GENPASS 編集 伊達
    GENPASS 編集 伊達
  • 4月16日
  • 読了時間: 5分

更新日:4月16日



ジョージタウン。マレーシア、ペナン島。ユネスコ世界遺産。

植民地時代のコロニアル建築が並んで、壁にはストリートアートが描かれて

老舗の食堂が立ち並んで、観光客がみんなカメラを向けている。

文化的な街だ。由緒ある街だ。

昼のJalan Penangは、いつも通り暑くて、いつも通り何も起きない。

こんなジョージタウンにも、お国柄廃業に置屋は追い込まれているが、

隠れてやっている置屋がまだあるようなので、情報の店の近くにあるHotel Malaysiaに拠点を置く。



場所

Hotel Malaysia



Hotel MalaysiaからJalan Penang通りを入っていくと、すぐに右側にFoot & Shoulder Reflexology centreというマッサージ店が見えてくる。

このあたりだという情報だったので、さっそくこのマッサージ店に入店してみる。




名前が正直すぎる。

足と肩のリフレクソロジー。以上。

ただ、そういう正直すぎる名前の店ほど、裏がある場合がある。


「スペシャルマッサージありますか?」

「ないです」


笑顔で即答だった。清潔な笑顔で、迷いなく即答だった。

少し粘るも「ない」とのことだったので、

自力で探すしかないかと諦めて帰ろうとした。

その瞬間、別のスタッフが近づいてきた。


「スペシャルマッサージ?」

「Yes!」

「こっち」


以上だ。「こっち」しか言わなかった。でも俺はついていった。

連れて行かれたのは、

表通りから少し外れた、よく分からない建物。



鎖の鉄扉を通って、なんか学校の体育館のような建物。

入り口の上にある看板には、

「shinjuku fitness centre」


いやいやいやいや

ここペナンだぞ!




なぜ新宿なのかは聞かなかった。

聞く必要はないと、こういう状況に慣れてしまったのか、俺は思った。

入り口の扉を開いて、さらに奥の扉に案内されると、空気が変わった。

シャンデリア。青いLED。赤い絨毯。

完全にさっきまでとは異世界。異世界に転生…

いや、そこまでではないか。

「女の子、せっかくだから全員見せてもらえますか」



そう伝えると案内している男は、

それぞれの部屋の前で、前に手をそろえて立っている女の子たちを紹介していった。


「この子はベトナム人。22歳。200リンギット。オイルマッサージが得意です」

なるほど。脳にメモ。ベトナム・22・200・オイル。

俺も男もお互いに黙っている。黙っていると


「どう?」「OK?」


と、1回1回確認してくる。

いや、まだ1人目だぞ。

全員、見たいって言ったじゃん。

ま、そこは抑えて

「もうちょっと見たい」

そう言うと、次の部屋。


「この子はインドネシア人。21歳。200リンギット。タイ式も対応できます」

なるほど。脳にメモ。インドネシア・21・200・タイ式。


「どう?」「いい?」

全部見るって言ったよね、と思いつつ

「もうちょっと見たい」

そう言うと、次の部屋。


「この子はタイ人。20歳。250リンギット。若いですよ」

若いですよ、を武器として繰り出してくる男。

でた、ついに特徴は「若い」。

まぁ20歳だから、この子より若い子が出てこないってことなのか?。

でも、スリムで、笑顔が柔らかい。愛嬌がある。かわいい。

そして、お決まりの…


「OK?」「いい?」


だーかーらー(やーまーねーの言い方)

全部見せろってーー!!


それが明らかにテンポを遅らせているんだよ。

そこからは「Next!」と被せ気味で答えた。


次の部屋、次の部屋、次の部屋。

国籍・年齢・金額・得意プレイ。国籍・年齢・金額・得意プレイ。国籍・年齢・金額・得意プレイ。

これを、延々繰り返す。

6部屋目あたりから、俺の脳内データベースが崩壊し始めた。



最初のベトナムの子は22歳だったか23歳だったか。

インドネシアの子の金額は200だったか210だったか。

得意プレイって全部で何種類あった?

そして男性スタッフの説明が、微妙にズレてきた気がする。


「この子は24歳」……さっき22歳って言わなかったか。

「この子はタイ人」……さっきベトナムって言わなかったか。

「得意なのは——」……もう何でもいい。

脳内のカードが全部ひっくり返った。


これ神経衰弱だ。


部屋がカードで、俺はそれを一枚一枚めくって情報を記憶しようとして、でも枚数が多すぎて全部バラバラになっている。


おぎゃーーー!!!!


頭がいっぱいいっぱいになり幼児返りした。

そのときだった。

一人の女の子が、ぽつっと言った。


「あの……私、

ベトナム人じゃないんですけど」


え。その一言を皮切りに

「あの……私、23歳じゃないんですけど」

え?

「あの……私、アナルはNGなんですけど」

一人言い出したら、止まらなかった。

「私も、言っていたこととちょっと違うんですけど……」

「私も……」

「私も……」



女の子たちが廊下に出てきて、一斉に言い始める。

青いLEDに照らされた赤い絨毯の廊下で。

スタッフはいつの間にかどこかに消えていた。

俺だけが残されて、女の子たちの「私も……」を全身で受け止めていた。


スタッフが戻ってきたところで、さっきいた「若いですよ」と紹介されたあの子。

20歳。スリムで、愛嬌があって、笑顔が柔らかい。250リンギットの子にした。

脳が壊れかけた状態でも、「かわいい」だけは最後まで正確にインプットされていた。

男の本能は案外しっかりしている。

案の定、プレイは最高だった。見事なフィニッシュだった。

体のカードは、完璧に一致した。



shinjuku fitness centre。店を出た。

世界遺産の街。コロニアル建築に囲まれた通りを歩きながら、Apple Watchを見た。

通知が来ていた。


「本日の運動目標達成しました」


……………………………。

ヘルスアプリが言っている。

本日の運動目標を達成した、と。

消費カロリーまで、きっちり記録されている。

なるほど。

あそこは確かにフィットネスセンターだった。


店名に偽りはなかった。




コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
bottom of page