クレイジーハウス Sukhumvit 23
- GENPASS 編集 八田

- 3月4日
- 読了時間: 5分
更新日:3月4日

バンコクには“遊び場”が多い。だから、バンコクに来ると、男はだいたい調子に乗る。無論、俺もそうだった。
だから、「今日はゴーゴーバーにいい子がいなかったら、女の子をつまみに軽く飲んで帰ろう」そう思った。
Sukhumvit 23とSoi Cowboyと交わるゴーゴーバー。男の理性を破壊するクレイジーハウスへ突入だ。
場所
ซอย สุขุมวิท 23 Sukhumvit Rd, Khlong Toei Nuea, Watthana, Bangkok 10110 タイ
早速、お店に入ると、ドゥン…ドゥン…♪と腹にくる重低音で、思わず"Put your hands up"(プチョヘンザ)と叫びたくなる。さすがゴーゴーバー。
目に入ってくるのは、ステージ。ポール。光。そして、人類の曲線密集地帯。
女の子多い。いや違う。“圧縮”されている。可愛い。綺麗。露出がすごい。スタイル良すぎ。そして全員、こっちを見る。
おぉぉぉぃい、おい待て。俺はATMじゃないぞ。まだ入店3分だ。でも、それにしてもステージの上でダンスしている子たち、ほぼみんなトップレス。
Oh It's Happening!
席に座っていつも通り、ビールを180バーツで注文。女の子がトップレスなのと、まだ酔いが追い付いてないので、なんだか恥ずかしく目のやり場に困る。
そんなことはつゆ知らず、女の子たちはどんどんアピールしてくる。それを右から左に受け流していると、スタッフが女の子たちを勧めてくる。仕事なのはわかるが、まだちゃんと見れていない。
俺「まぁ待て!もう少し見てから決めるから」
段々目が慣れてきて、女の子の顔からスタイルから、むしろ舐めるように見る。俺、慣れるの早っっ!と思いつつ鼻の下を伸ばしつつ探す。
ダンスを眺めつつ「この子いいかも」なんて思った瞬間、横からハチャメチャなヤバめクオリティの新規登場。
は?お前どこから出てきた?てか、誰だよ、急に視線の外から入ってきやがって。
それを知らずに、その子は満面な笑み…いや、不気味な笑みで誘ってくる。「いやいやいやいや、120%ないから」と思いながらも、怒りを抑えて、ピシャリと断る。
俺「まだいろいろ見ているから」
普通、断ったらいなくなると思うだろ?その子、誰に教えられたのか知らんが、なぜか粘る。
おいおいおいおい。そろそろ伝われよ!わかれよ!今まで粘って何とかなってきたのか?
まー、きっと押しに弱い日本人が、押しに負けて何とかなってきた成功体験があるから、粘っているんだろな。今日はおいしいお酒を飲みたいんだよ!な、わかってくれよという気持ちで断ると、ようやく退散してくれた。
…と、思って安心していると、また次の刺客が来る。
おいおいおいおいおいおいおい。
ここのテーブルは回転寿司か?頼んでもいないのに、次から次へと出てくる。怒。
これ、数ターン続いた。呆れた…わかったよ。俺が悪かった。さっさとステージでダンスしている子を選ばないから、次から次へと刺客をよこしているんだろ。
そうそう。トクリュウ(匿名・流動型犯罪)みたいに、見えないところ指示役がいて、強引にいけばコイツいけるのマークが、きっとテーブルのどこかに貼ってあって、闇バイトで雇われた受け子のように、可愛くない女の子が次から次へと俺の元へやってくる。特殊詐欺グループの上客リストに入っているじぃさんと一緒だな、これ。
ここは決断力を試される場所だと感じた。

このままだと「慣れる」という魔法にかけられて、押しの弱い日本人のように「諦め」で、自暴自棄に選んでしまいそうだったので、慌ててステージを見たら「いた!笑顔のかわいい子!」。
すぐにスタッフを呼び「あの子をお願いできる?」と指示。スタッフはウインクをして「OK!」と。
しばらくしてやってくる。黒髪で小柄な女の子。やたらスタイルがエロいが派手じゃない。でも目が強い。視線が合う。ニコッ。その瞬間。これもしかして勝確?
俺の前に立つ。近い。距離、近すぎる。彼女の唇が俺の耳へと近づく。仕草が妙にエロい。
そして、俺の股間あたりを軽く手を置いてきたので、耳を甘噛みしてくるのかと緊張していると、耳元でささやく。
「You buy me drink?」
エロい、エロ過ぎる。息が耳に当たっている。
いや、唇が耳に当たっている。確実に。
鼻血が出かかっている。ドリンク?買うに決まっているだろ。俺は何しに来た。今日は楽しく飲んで、あわよくば持ち帰ろうだろ。
ちなみにLD(レディドリンク)は、確か200~400バーツほど。何を飲むのかによって若干違う気がした。
その子と会話が弾む。いや、弾み過ぎた。無意識なのか意識的なのか、軽く下半身に手が当たって(触って)いて、完全に気持ちよくなって飲み過ぎた。
この子持ち帰りたいけど、このままだとホテルに戻っても、すぐ寝てしまう可能性がものすごく高い。
不覚にもやっちまった。調子に乗って飲み過ぎた。誘うのはまた今度にして、今日は帰ろう。今日は今日で満足した、と言い聞かせた。うん、帰ろう。
斉藤和義の「今日は歩いて帰ろう」を口ずさんでいると、会計が届く。自分に言い聞かせた満足はスッと引いた。あれ?結構値段イっている…。そう、俺も彼女も完全に飲み過ぎていた…。

外に出る。Sukhumvitの夜風が冷たい。さっきまで熱かったはずの俺が、急に冷静になる。
スマホを開く。カードの残高を見る。……。一瞬、目を閉じた。脳内で計算が始まる。
ゴーゴーバーなんて、連れ帰る子がいたらさっさと連れ帰る。これ基本だろ…。心地よいエロさにやられた。
ターゲットがいなかったら、さっさと店を変えるか帰るのが鉄則。
ホテルに戻ってベッドに座る。エアコンが、やけに寒い。さっきまでの自分を思い出す。あんなに堂々としていたのに。
今の俺は、残高アプリを何度も更新する男だ。更新しても増えないのにな。
震えの正体はエアコンの寒さじゃない。現実だ。でも、正直に言うけど、後悔は……してない。
震えながらも、俺は思っていた。「クレイジーなのは店じゃない。飲み過ぎると金額がいくと分かっていて楽しんでしまった俺だ。」
そして、布団の中で小さく呟く。「また行く。だってあの子エロ可愛かったもん。」財布は壊れた。理性も壊れた。
でもなぜか心地いい。あの子と交わしたエロ会話した光景は、簡単には忘れられない。
クレイジーハウスは、女の子がクレイジーなんじゃない。
男の金銭感覚を壊すエロさがクレイジーだ。
そして俺は、また壊されに行く。間違いなく。待ってろ、クレイジーハウス。




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