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冷静な俺がヌル専門店に行った……「ヌルって何だよぉ!!」と心の中で叫んだが、めちゃくちゃ気持ちよかった

執筆者の写真: GENPASS 匿名協力記者
GENPASS 匿名協力記者
10月6日
読了時間: 6分

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海外旅行では、できるだけ事前に情報を調べてから行動するタイプだ。

今回も例外ではない。

向かったのは、バンコクのSukhumvit Soi 10にある「Stella Nuru Massage Bkk」。


名前からして、普通のマッサージ店ではない。

そう、Nuru専門店である。


ここで一つ問題があった。

俺、Nuruが何なのか、いまひとつ分かっていない。

もちろん事前には調べた。

特殊なジェルを使ったボディ・トゥ・ボディ系のマッサージらしい。普通のオイルマッサージとは違うらしい。


情報としては理解した。

しかし、情報として理解することと、自分が実際に受けることは別問題である。

「まあ、行けば分かるだろう」

そう考えた。冷静な判断だ。

そう思っているのは、俺だけだが。

Sukhumvit Soi 10を歩き、目的地を確認する。


場所



店の前まで来ると、STELLAの文字が目に入った。

入口はガラス扉になっている。 外から見れば、周囲の店とそれほど大きく違うわけではない。

ただ、店名にしっかり「Nuru」と入っている。

もう、逃げ道はない。

俺はそのまま店に入った。



受付を済ませ、希望するコースを伝える。

俺が選んだのは90分、4,000バーツ。

自分で決めた。自分で選んだ。

それなのに、改めて金額を見ると少しだけ不安になる。


「俺は今、何をしているんだ?」

一瞬だけそう思った。

でも大丈夫。

旅行では計画性が大事だ。

これは計画的な行動である。

たぶん。


すると、Mamasanから女性を紹介された。

「この人はどう?」

そんな雰囲気で名前を聞き、

少しして女性がこちらへやってくる。


名前はミナ。

肩にかかるくらいの黒髪で、

派手にこちらへアピールしてくるタイプではない。

目が合うと、自然に笑ってくれる。


「Hello」

簡単な挨拶を交わす。

俺も笑って返す。

そこから先は、簡単な英語と身振りが中心だった。

細かい会話ができるわけではない。

それでも、なんとなく意思は通じる。

むしろ、言葉が通じないぶん、

こちらが勝手に深読みしている気もする。


「たぶん今のは、そういう意味だろう」

自分で勝手に納得する。

冷静な判断である。

たぶん。

ミナも笑って頷いている。

その雰囲気を見て、俺も「この人で大丈夫だ」と思った。


選択に必要な時間は、思ったより短かった。

さっきまであれこれ考えていたのに、最後は結局、直感である。

冷静とは何だったのか。


ミナに案内され、部屋へ向かう。

そして部屋の扉が閉まった。

部屋は落ち着いた雰囲気だった。

白いシーツが敷かれたベッド。

柔らかな照明。

そして、Nuru用の施術を行うためのウェットスペース。

水を使うことを前提にした造りを見ると、

普通のマッサージ店とは少し違う。


俺は部屋を見回した。

「なるほど……」

なぜかこういうときだけ、

職人みたいな顔で設備を確認してしまう。


「ここでジェルを使うわけか」

分かった。

いや、何が分かったのかは自分でも分からない。


ミナが簡単に流れを説明してくれる。

俺は頷く。

「OK」


そして、ここで一度シャワーを浴びることになった。

服を脱ぎ、ウェットスペースへ移動する。

ここまで来ても、俺はまだ冷静だった。

少なくとも、本人はそう思っていた。


シャワーの水が身体にかかる。

さっきまで街を歩いていたときとは、空気が完全に違う。

隣ではミナも準備をしている。

何か言われた気がする。

でも、細かい意味までは分からない。

俺も笑って頷く。

「OK」


今日、何回「OK」と言っているのだろう。

英語力が足りないというより、

もはや「OK」に全部を任せている。

ミナも笑っている。

たぶん、なんとなく通じている。

たぶん。


そして、シャワーを終え、いよいよNuruが始まる。

「俺は冷静だ」

そう自分に言い聞かせる。

ミナがジェルを手に取り、俺の身体に触れる。

そして、ジェルが肌に広がった。


最初に感じたのは、

想像していたよりもはっきりした感触だった。

ミナが身体を動かすたび、

ジェルのぬめりが肌の上を滑っていく。


女の身体が滑るように近づいてくる。

密着したかと思えば離れ、また戻ってくる。

そのたびに、ジェルの感触と肌の熱が混ざり合う。


「なるほど……」

俺はまた分析を始めた。

これは圧力。 これは摩擦。 これは温度。


普段なら、こうやって感覚を分類すると少しは落ち着く。

しかし今回は違った。

ミナの動きに合わせて身体が動く。

ジェルの冷たさ、肌に触れる温度、身体が動いたときの滑り方。

一つひとつ確認しているはずなのに、

頭の中に入ってくる情報が多すぎる。

だが、そんな記号はすぐに溶けて消えた。


「待て」

心の中でつぶやく。

「これは分析する量が多すぎないか?」


冷静に状況を把握するつもりだった。

ところが、状況を把握しようとするほど、

何をされているのか分からなくなってくる。


ミナの身体が触れるたび、全身の輪郭が曖昧になり、

自分がどこからどこまでなのか分からなくなる。

ジェルのぬめりと肌の熱が混ざり、思考の表面が白く濁っていく。


「俺は今、何を分析しているんだ?」

そんな疑問まで出てきた。

頭では整理しようとしている。

身体は、そんなことを全く気にしていない。


「いや、待て待て」

そう思ったときには、

もう最初の頃のような余裕はなかった。


やばい。

これはまずい。

まずいのに、最高に気持ちいい。


そして限界が来た。

視界の端で何かが弾け、背骨の奥から電流が駆け上がる。

身体が大きく反応し、

いわゆる射精という現象が俺の意思とは関係なく起きた。

頭の中は真っ白だった。

何も考えられない。

しばらくして、ようやく息が戻る。


「……れ、冷静な気持ちよさだ」

俺は呟いた。

意味は分からない。

自分でも分からない。

でも、そのときは本気でそう思った。

冷静な男が、冷静さを失ったまま冷静さの名前を呼んでいる。

そんな自分に、なぜか少しだけ笑えた。

しばらくして、ミナがこちらの様子を見る。


「OK?」

「……OK」

それ以上の言葉は出てこなかった。

いや、英語なら何か言えたはずだ。

「Very good」くらいは言えたかもしれない。

でも、そのときの俺に残されていた英語力は「OK」だけだった。



着替えて部屋を出る。

店の中はさっきと同じ。

静かで、落ち着いている。

なのに俺だけが、さっきまでとは少し違う。


店を出て、Sukhumvit Soi 10を歩く。

さっきまでと同じバンコクの街なのに、

なぜか少しだけ景色が違って見える。


頭の中に残っているのは、ただ一つ。

「Nuruって、結局なんだったんだ?」

事前に調べた。

説明も読んだ。

それでも、実際に受けてみると説明だけでは分からない。

俺は最後まで、一つの結論にたどり着けなかった。


俺は冷静だったのか。

いや、たぶん違う。

でも、少なくとも90分間、

俺なりに冷静に分析しようとはしていた。

だからこれは、失敗ではない。

たぶん。


少なくとも、もう「ヌルって何だよぉ!!」とは言わない。

いや。

次に誰かから聞かれたら、たぶん言う。


「ヌルって何だよぉ!!」

結局、そこに戻る俺だった。




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