Malioboro Hotel & Spa ジャカルタ
- GENPASS 編集 八田

- 3 時間前
- 読了時間: 5分

ジャカルタの夜には、「ただのマッサージ屋」では説明がつかない箱がある。
そのひとつが、Malioboro Hotel & Spaだ。
名前だけ聞くと、なんだか上品だ。
ホテル、スパ、ラウンジ。
文字だけ並べると、出張のついでにちょっと身体をほぐして帰る場所みたいに見える。
だが、夜のジャカルタでそういう名前に安心した男から順番に、軽く迷子になる。
場所
ジャカルタ中心部、Gajah Mada通り沿い。
中に入るとバー、クラブ、ラウンジに分かれていて
女の子たちもそれぞれ配置されている。
バーに行くか。
クラブにするか。
いや、こういう時はだいたい一番人数が多いところが正義だ。
そう思って、俺はラウンジに入った。
この時の俺はまだ知らなかった。
今夜いちばん必要になるのは金でも勇気でもなく、
“君が一番だ”を自然に言い切るプレゼン能力だということを…
ラウンジに行くと、やっぱり一番女の子が多かった。
ここが正解だったと思う。
男の勘というのは、たまにしょうもない方向で外すが、
「数が多いところに行け」という一点に関しては驚くほどブレない。
ママが女の子を何人か案内してくれる。
ここでシステムの説明が入る。確か…
通常が90~110万ルピア。
モデルクラスが160万ルピア。
ダンサーが150万ルピア。
外国籍は220~230万ルピア。
数字だけ見ると、完全に上のクラスの方が強そうである。
でも見た感じ、そこまで露骨な差があるようには思えない。
いや、もちろんみんなかわいい。
ただ、通常クラスの子たちが全然“通常クラスっぽくない”のだ。
この時点で、少し嫌な予感がした。
嫌な予感というか、
“高い方がいいはず”という俺の発想の方が、ちょっと古いのでは?
という気配である。
でもまあ、こういう時に無理して上のクラスへ行っても仕方ない。
見た感じそんなに差が分からないなら、ここは素直に通常クラスでいい。
どうせなら、ちゃんとコスパよく勝ちたい。
そう。俺はそうやって今まで買ってきたじゃないか。
で、数人見た中で、一人の子に目が止まった。
派手すぎない。
でもちゃんとかわいい。
柔らかい。
そして、こっちを見た時の笑い方が自然だった。
よし、この子だ。
ここまではよかった。
問題は、部屋に入ってから始まった。
軽く会話して、空気も悪くない。
これならいい流れでいけそうだ。
そう思っていたところで、彼女がふと聞いてきた。
「なんで私にしたの?」
来た。
この質問、男を一番困らせるやつである。
いや、理由はある。
あるけど、そのまま言えるか?
「見た目そんなに差がなかったから」は即死。
「モデルまでいかなくても十分だった」は社会的に終了。
「安い方にしようと思って」は人間として終わる。
つまりこの瞬間、俺はもう客ではない。
“なぜ君を選んだのかを説明する広報担当”になった。
なので、とっさにこう言った。
「いや、逆に、なんで君がモデルじゃないの?」
言ってやった、これが刺さった。
表情がふっと変わる。
空気が少しやわらかくなる。
明らかに反応が良くなった。
この瞬間、俺は悟る。
あ、これだ。
この店で一番必要なのは、金でも勢いでもテクでもない。
女の子のプライドを傷つけず、なおかつ自然に持ち上げる語彙力だ。
そこから先の夜は、完全に別の競技になった。
「ほんとに?」
「モデルっぽい?」
で
「どこが?」
来る。
質問が来る。
しかも全部、正解不明。
ここで変な褒め方をしたら終わる。
たとえば危ないのはこうだ。
「通常クラスに見えない」
一見褒めているようで、地雷の匂いがする。
「安く見えない」
論外。焼却処分。
「ダンサーより良い」
比較対象の出し方が雑すぎる。最悪である。
だから俺は、言葉を選びながら進む。
「自然な感じが一番よかった」
「顔が整ってるのに、きつく見えないのがいい」
「落ち着くし、こういう方が好き」
「モデルより、こっちの方が全然いい」
このへんは刺さる。
反応もいい。
明らかに空気が良くなる。
向こうも楽しそうだし、こっちも「あ、正解引いたな」という気になる、が…
うわ、怖っ!!
本当に怖っ!!
褒め方ひとつで、夜の質が上下している。
で、こういう時に人間は必ず調子に乗る。
俺も乗った。
少し慣れてきたところで、つい言ってしまった。
「いや、ほんと、通常クラスって感じしないよね」
言った瞬間、空気が0.5度だけ下がった。
ほんの少し。
でも分かる。
こういう微妙な温度差だけは、男は妙に敏感である。
サービス業の笑顔の奥にある、わずかな“いま変なこと言ったな?”の気配。
そして実際、そこから少しだけプレイの流れが雑になった。
やばっ!!
しくじった!!
ここからの俺は必死だった。
「違う違う、そういう意味じゃなくて!」
「ちゃんとしているし、普通に一番よかった!」
「最初に見た時から君だった!」
「落ち着くし、むしろモデルより好き!」
もう何を言ってるのか自分でも分からない。
夜遊びに来たはずなのに、気づけば
“通常クラスという肩書きは仮の姿である”
という記者会見を開いている。
ここで改めて分かった。
この店で一番大変なのは、選ぶことじゃない。
選んだあとに、
“なぜ君なのか”を最後まで言語化し続けることだ。
しかも面白いのが、ちゃんと褒めがハマると、向こうのテンションも変わる。
空気が柔らかくなる。
距離も縮まる。
サービスの丁寧さも明らかに変わる。
逆に、褒め方を一歩ミスると雑になる。
このシステム、
怖すぎるだろ!!
プレイの内容じゃない。
褒めの品質管理である。
結果から言うと、最後はちゃんと盛り返して、きっちりフィニッシュした。
サービスもかなり良かった。
むしろ、トータルで見れば満足度は高い。
だから余計におかしい。
俺は通常クラスを選んだはずなのに、最後までやっていたのは
“君が一番だ”のプレゼンだった。
そう。
ここで一番削られるのは財布じゃない。
語彙力と気遣いである。
Malioboroで一番高かったのは、モデルでもダンサーでもない。
スタンダードのプライドだった。



【Malioboro Hotel & Spa / 基本情報】
場所:上記の地図参照
形式:バー・クラブ・ラウンジ併設型
女の子の傾向:ラウンジが多め、通常クラス在籍が中心
料金目安:スタンダード 90万〜110万ルピア、モデル 160万ルピア、ダンサー 150万ルピア~、外国籍 220万〜230万ルピア
注意点:見た目でスタンダードを選んでも油断するな。最後に必要なのは現金より褒めの技術である




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