Sagitarius Hotel & Spa ジャカルタ

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ジャカルタで夜遊びをしていると、
たまに店名だけで妙に壮大な気分にさせてくる場所がある。
今回向かったのは、
Sagitarius Hotel & Spa。
ホテル併設。
サウナあり。
風呂あり。
マッサージあり。
そして、その先に大人の楽しみもある。
なんだここ。
男の欲望を一棟にまとめるな。
場所
風呂とサウナで身体を温め、女性を選ぶ。
俺が選んだのは、黒髪の落ち着いた女性。
派手ではない。
でも近くで見ると目がきれいで、
笑うと急に幼く見える。
部屋へ入り、服を脱ぐ。
俺はシャツを適当に置いた。
すると彼女が拾う。
畳む。
ズボンも置く。
拾う。
きれいに揃える。
スリッパまで向きを直す。
……。
俺、まだ帰らないよ?
これから楽しみをする男の横で、
彼女だけが退店準備を進めている。
几帳面な子らしい。
まあいい。
ベッドへ横になる。
すると彼女が突然聞いてきた。
「Birthday?」
誕生日?
お。
いきなり誕生日を聞いてくるとは。
俺に興味ある?
少し嬉しくなって答える。
すると彼女は数秒考えて、
星座の名前を言った。
……そっちか。
俺ではない。
星に興味があった。
どうやら占いが好きらしい。
俺の顔を見ながら、
「You think too much」
考えすぎる。
さらに、
「Shy」
シャイ。
まあ、分かる。
そして最後に、
「You like cool」
格好つけるのが好き。
待て。
最後だけ具体的すぎない?
星座でそこまで分かるのか?
俺が笑うと、彼女は自信満々。
そして言った。
「Later……you say WAIT」
あとで俺が「待って」と言うらしい。
何を言っている…
「No」
俺は即答した。
言わない。
絶対に言わない。
さらに彼女は、
「最後、あなた水飲む」と言った。
水?
そんなもの、喉が渇けば誰でも飲むだろ。
もうそれは占いじゃない。
生理現象だ。
でも彼女は自信満々。
いいだろう。
じゃあ絶対に飲まない。
そんなことを考えながら、普通のマッサージが始まる。
肩。
背中。
腰。
ゆっくり手が入ってくる。
普通に気持ちいい。
だが彼女の几帳面さはここでも発動する。
俺がタオルを少しずらす。
彼女、直す。
枕が曲がる。
直す。
俺が脱いだ服の袖が少し床に落ちる。
マッサージ中なのに、
一度立ち上がって拾う。
今それ気になる!?
こっちは裸だ。
部屋なんて多少乱れていい。
なのに彼女は、
俺の身体より先にタオルの角度を整える。
そのうち俺の方が気を使い始めた。
タオル、散らかさないようにしよう。
なぜ俺が裸でマナーを学んでいる。
だが、そこから空気が変わった。
普通のマッサージから少しずつ大人の方へ。
距離が近くなる。
柔らかい身体が触れる。
さっきまで几帳面にタオルを揃えていた手が、
今度は俺の身体をゆっくり辿っていく。
香り。
息。
指先。
近くで見る彼女の目。
これはいい意味でまずい。
かなりいい。
俺も完全に集中し始める。
彼女がこちらの反応を見ながら、
少しずつ強弱を変える。
最初は余裕だった。
まだ大丈夫。
ところが、
だんだんイキそうで余裕がなくなってくる。
彼女が俺の顔を見た。
ニヤッ。
そして一言。
「Wait?」
……。
俺は首を横に振る。
未来は変えた。
そう思った直後。
彼女がまた少し攻め方を変えた。
「ちょ、待って!」
言った…
言ってしまった…。
彼女が止まる。
俺を見る。
ものすごく嬉しそう。
「See?」
腹立つ!!
当てた本人が一番喜んでいる。
こっちは今それどころじゃない。
「これは占いじゃない!」
と言いたい。
でも日本語では通じない。
そして俺自身、
なんで当たったのか説明できない。
その後も彼女は調子に乗る。
「You smile」
笑う。
笑わない。
絶対笑わない。
彼女が俺の脇腹を軽く触る。
「やめろ(笑)」
また当たった。
てか、それはズルだろ…
大人のサービスは止まらない。
さっきまで占い師だった女が、
完全に違う顔をしている。
目線が変わる。
距離が縮まる。
こっちの反応を見ながら手を動かす。
俺で遊び過ぎたのか、急にピッチを上げる。
初めからそうしてくれと思いつつ我慢できず
最後はしっかりフィニッシュ。
少し息を整えていると、彼女が動き始めた。
俺を見る…ではない。
タオル。
拾う。
畳む。
枕。
直す。
シーツ。
整える。
余韻、約3秒。
仕事が早い。
俺がまだ天井を見ながら魂を回収している横で、
部屋だけはもう次の朝を迎えようとしている。
そして彼女が水を差し出した。
そういえば最初に、
「最後、水飲む」
とも言われていた。
……飲まない。
これは意地だ。
喉はカラカラ。
だが飲まない。
彼女がじっと見る。
俺も見る。
絶対に負けない。
10秒。
20秒。
……。
飲んだ。
ゴクゴク。
そりゃ飲むだろ!!
彼女、
満面の笑み。
「See?」
うるさい!!
俺はついに聞いた。
なんでそんなに当たるんだ。
星座?
占い?
未来が見える?
彼女は笑った。
そして片言の英語で言った。
「Japanese customer……same」
……。
え?
どうやら日本人客を何人も見ているらしい。
格好つける。
我慢する。
最後は「待って」と言う。
終わったら水を飲む。
脱いだ服はだいたい適当に置く。
全部、
見たことがある…。
占いじゃなかった。
俺は星を読まれていたわけではない。
日本人男性の行動パターンを読まれていた。
Sagitarius Hotel & Spa。
射手座みたいな名前の店で、
未来を次々に言い当てる女に出会った。
俺は一瞬、
占い師かと思った。
違った。
ただの統計だった。
しかも俺は、
星座で分類されるより先に、
「よくいる日本人男性」で分類されていた。




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