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![空港まで、三十分 [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_58486d084a8945289818369842632961~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_58486d084a8945289818369842632961~mv2.webp)
![空港まで、三十分 [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_58486d084a8945289818369842632961~mv2.png/v1/fill/w_292,h_219,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_58486d084a8945289818369842632961~mv2.webp)
空港まで、三十分 [第3話]
【第3話】 52階と、彼女の部屋 Ce La ViはAddress Sky Viewの52階にある。 ドバイには高いところにバーがある、と知っていても、ここは別格だ。 エレベーターを降りた瞬間、ブルジュ・ハリファが正面にある。 夜に光る世界一の高さのビルが、目の前に立っている。 観光地という言い方は正確じゃない。 ここは、ドバイの夜を正面から受け取る場所だ。 カクテルを頼んだ。 ローズウォーターとサフランを使ったシグネチャーカクテル。AED88。 一口飲むと、花の香りが鼻を抜けて、後からほのかな苦みが来る。 中東の香辛料と西洋のカクテル技術が混ざった味は、ここでしか作れない。 ドバイという都市そのものが、この一杯に入っている気がした。 しばらく二人で、ブルジュ・ハリファを見ていた。 「きれいですね」とリカが言った。 「毎日見てる?」 「毎日じゃないけど、飽きない。」 「東京に戻りたいと思う?」 「・・・たまに。」 「どんなとき。」 「誰かと話したいのに、話せない日。」 そう言ってから、「なんか変なこと言いましたね」とリカが笑った。 笑い方がおかし

GENPASS 編集 三好
5月17日
![空港まで、三十分 [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_8a8862692de04270a6b200fcf8a8868b~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_8a8862692de04270a6b200fcf8a8868b~mv2.webp)
![空港まで、三十分 [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_8a8862692de04270a6b200fcf8a8868b~mv2.png/v1/fill/w_292,h_219,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_8a8862692de04270a6b200fcf8a8868b~mv2.webp)
空港まで、三十分 [第2話]
【第2話】 彼女のドバイを、もらった朝 Comptoir 102はジュメイラのビーチ通り沿いにある。 2012年から続くフレンチオーガニックカフェで、ドバイに長く根付いている部類に入る。 木製の家具と、古びた棚と、オーガニック食材が並んだ内装。 外に面したテラスから、朝の光が入る。 レセプションでもZumaでもない、ドバイの別の顔がここにある。 「ここに来ると、ドバイにいることを少し忘れられるんです」とリカは言った。 アサイーボウルを頼んだ。AED68。 フルーツとグラノーラが重なり、底のアサイーはなめらかで、甘みより先に酸みが来る。 グラノーラが崩れていく感触と、コーヒーの苦みが交互になる。 観光客が来る店ではなく、ドバイで暮らしている人間が週に一度寄る店だ。 古いレコードが壁に飾られていて、窓から朝の光が入ってくる。 砂漠の国にいながら、どこかフランスの田舎のカフェのような空気がある。 ジュメイラのビーチを知っている人間が来る場所だ、ということが、入った瞬間に分かる。 リカが「おはようございます」と言うと、店のスタッフが名前で返した。...

GENPASS 編集 三好
5月16日
![空港まで、三十分 [第1話/全4話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_abe118d3c6b24518a334af3ea01db594~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_abe118d3c6b24518a334af3ea01db594~mv2.webp)
![空港まで、三十分 [第1話/全4話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_abe118d3c6b24518a334af3ea01db594~mv2.png/v1/fill/w_292,h_219,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_abe118d3c6b24518a334af3ea01db594~mv2.webp)
空港まで、三十分 [第1話/全4話]
【第1話】 DIFCの夜、仕事の話から始まった ドバイに来て4日目になる。 UAEが国家レベルで進める電動交通インフラの整備 ——政府系投資機関と、複数の日系企業が絡む案件だ。 EV充電ネットワークの整備から公共交通の電動化まで、いくつかの商談が重なっていた。 砂漠の国がEVに舵を切る理由は単純だ。 石油に頼らない未来を、誰より早く準備しておく必要がある。 そういう国だから、話が動く速度も速い。 東京の会議室で同じ話をするより、ここで3日過ごした方が、ずっと早い。 夜はDIFC内のホテルで業界レセプションがあった。 UAE政府系ファンド主催で、日系と欧州系の企業が集まっていた。 スーツの男たちが英語と日本語を交ぜながら、グラスを持って立ち話をしている。 こういう場は得意ではないが、嫌いでもない。 顔を覚えるより、覚えられる方が重要だということを、出張を繰り返す中で学んだ。 彼女を見つけたのは、会場の端のテーブルだった。 165センチ。黒のドレス。細い。立ち方に力みがない。 周りと話しながら、でもどこか外を向いているような目をしていた。 輪の中にい

GENPASS 編集 三好
5月15日
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