top of page
![サヨナラの意味 [最終話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_9c1576c6f12e40c29c9cfdb758ff85f9~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_9c1576c6f12e40c29c9cfdb758ff85f9~mv2.webp)
![サヨナラの意味 [最終話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_9c1576c6f12e40c29c9cfdb758ff85f9~mv2.png/v1/fill/w_292,h_219,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_9c1576c6f12e40c29c9cfdb758ff85f9~mv2.webp)
サヨナラの意味 [最終話]
【最終話】 サヨナラの意味 リカが部屋を出たのは、9時を少し過ぎた頃だった。 「仕事、行ってくるね」 バッグを肩にかけながら、ドアのところで振り返った。 「ヒースロー、何時?」 「17時のフライトです」 「じゃ、まだある」 リカが少し笑った。 「行ってくる」 ドアが閉まった。 11時にClaridge'sをチェックアウトした。 スーツケースをベルデスクに預けて、外に出た。 雨は上がっていた。Hyde Parkまで歩いた。 ベンチに座って、スマホを開いた。 出張中に届いていたメールに三通だけ返信した。 それ以上は続かなかった。 水面をアヒルが一羽、横切った。 スマホが鳴った。 リカからだった。 「今どこ?ヒースロー、一緒に行っていい?」 「Hyde Parkです。来るんですか」 「だめ?」 「だめじゃないです」 「じゃNotting Hillでランチしてから行こ。待ってて」 The Cow。 Westbourne Park Roadの角、赤いファサードに黒板メニューが出ているアイリッシュパブだ。 昼間から常連が入っていた。 Carlingford

GENPASS 編集 三好
4 日前
![サヨナラの意味 [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_4b00775c89c9438e8bb19b9eed3771e1~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_4b00775c89c9438e8bb19b9eed3771e1~mv2.webp)
![サヨナラの意味 [第3話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_4b00775c89c9438e8bb19b9eed3771e1~mv2.png/v1/fill/w_292,h_219,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_4b00775c89c9438e8bb19b9eed3771e1~mv2.webp)
サヨナラの意味 [第3話]
【第3話】 帰国は明日 水曜、仕事が押した。 JLRのチームとの打ち合わせが午後に入っていた。 製品戦略の説明でノートPCを繋ぎ、資料を共有した。 終わりが見えたころ、向こうのマネジメントが「夕方に別の場所で話を続けよう」と言った。 スマホを取り出してリカに「遅れます」と入力しようとしたとき、画面が真っ黒だった。 プレゼン中に使いすぎて、電池が切れていた。 ステーキハウスは長くなった。 赤ワインが入り、英国の自動車産業の話に移り、2時間が経った。 三好は時計を確認するたびに、画面の戻らないスマホを内ポケットに押し込んだ。 22時を過ぎてようやく席を立てた。 外に出ると、雨だった。 傘を開いた。 向こうが「タクシーを」と言いかけたが断った。 急ぎたかっただけだった。 リカと約束していたのは、Bruton Streetの角にある小さなビストロだった。 Mayfairに出るなら、と昨夜リカが名前を挙げていた。 「閉まる前に行こうよ」と言っていた。 閉まる前、という前提は、もう崩れていた。 雨の中を走った。 ビストロのシャッターは降りていた。 その手前に

GENPASS 編集 三好
5 日前
![サヨナラの意味 [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_9655ef83d0d54ea3a398a6e6e2e01ec6~mv2.png/v1/fill/w_333,h_250,fp_0.50_0.50,q_35,blur_30,enc_avif,quality_auto/37d521_9655ef83d0d54ea3a398a6e6e2e01ec6~mv2.webp)
![サヨナラの意味 [第2話]](https://static.wixstatic.com/media/37d521_9655ef83d0d54ea3a398a6e6e2e01ec6~mv2.png/v1/fill/w_292,h_219,fp_0.50_0.50,q_95,enc_avif,quality_auto/37d521_9655ef83d0d54ea3a398a6e6e2e01ec6~mv2.webp)
サヨナラの意味 [第2話]
【第2話】ナイスカップル 9時55分にClaridge'sのロビーに降りると、リカがすでにいた。 ソファに座って雑誌を読んでいた。 こちらが近づいても顔を上げなかった。 上げたとき、まず眉をしかめて顎を引いた。 「遅い!」と言った。 一拍置いて、パッと笑顔になった。 「おはよー!遅いって言いたかっただけだよ笑」 時計を見た。9時55分だった。 「じゃーレッツゴー!」 立ち上がって先に出口へ向かった。 外でブラックキャブを拾った。 乗り込んだ瞬間、リカが俺の腕を組んだ。 そのまま前の運転席に向かって英語で言った。 「私たち、どう見える?」 "Nice couple"と運転手が言った。 リカが俺を向いた。 下唇を突き出して、子供みたいに拗ねた顔をした。 「兄弟にしか見えないって言われた」 「ナイスカップルって言ってましたよ」 「お!」リカが目を丸くした。 「ヨッシーは私たちナイスカップルだと思ってるんだー」と言いながら、指で俺の腕をつついた。 「ナイスカップル、ナイスカップル」 俺は窓の方を向いた。 3月のロンドンは空が低い。 灰色の雲が街全体に蓋を

GENPASS 編集 三好
6 日前
bottom of page
